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ブランド・マーケティング見聞録

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コピーライティングのお話
私の『好きなコピー』と『嫌いじゃないコピー』。
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今回はブランディングの話ではありません。以前のブログにも書きましたが、私は80年代の“コピーライターブーム”に、奇跡的に広告業界に紛れ込むことができ、今もコピーを書いています。

残念ながら、「あのコピーは××さんの作品」と言われるほど、有名なコピーライターにはなれませんでしたが、地道に仕事をこなし、幾つかの広告賞もいただきました。

そんな“普通のコピーライター”の私が選んだ『好きなコピー』と『嫌いじゃないコピー』について書かせていただきます。

何せ還暦過ぎですので、皆様にとっては古いコピーがメインになりますが、お許しください。

 ■あの頃、目標だったコピーの名手たち。

コピーライターブームの真っ只中に、広告制作会社に入った私にとって、糸井重里氏、仲畑貴志氏、真木準氏は、まさに憧れの的。彼らに一歩でも近づこうと、暇さえあればTCCコピー年鑑やADCデザイン年鑑などを読み漁っていましたね。

幸いにも私が入社したナショナル宣伝研究所は、日本で一番古い広告制作会社で、コピーやデザイン関連の書籍類が、オフィスの壁一面の本棚に所狭しと並んでいて、新人にとっては良い環境でした。

これまで私の作品もADCデザイン年鑑には幾つか載りましたが、TCCコピー年鑑には名前のみが3回ほど載っただけです。いつも準新人賞止まりだったもので…悔しいです!

当時は糸井氏の「おいしい生活。」(西武百貨店)、仲畑氏の「好きだから、あげる。」(丸井)、真木準氏の「でっかいどお。北海道。」(全日空)などのコピーが注目され、黒子だったコピーライターが、ちょくちょく表舞台に登場するようになっていました。マドラ出版から各氏の作品集(全仕事)が出され、私は秋山晶氏と土屋耕一氏の作品集も購入。そうそう『コピーライターズスペシャル』(成文堂新光社)という雑誌もありましたね。ある弟子に貸した後、すべて行方不明です。

■「やられた!」と感じた、好きなコピー。

さて、私の好きなコピーですが、憧れの的だった糸井氏ですと「サラリーマンという仕事はありません。」(西武セゾングループ)、仲畑氏では「カゼは社会の迷惑です。」(武田製薬)、真木氏は「恋が着せ、愛が脱がせる。」(伊勢丹)でしょうか。コピーの裏に物事の真理が垣間見えるのが、とても好きです。

でも、一番好きなのは「向き不向きより、前向き。」、このコピーは私の座右の銘にもなっています。確か『劇団ひまわり』の新聞広告のコピーで、オリコミ広告(現オリコム)のコピーライターの方が書いていたはずです。

他に好きなのは「地図に残る仕事。」(大成建設)、「なにも足さない、なにも引かない。」(サントリー)。また「負けるな、相手は小学生だ。」(ライオン/全日本バレーボール小学生大会)を見た時は、「やられた!」と思うと同時に笑いました。それぞれ切り口(発想)が凄いところが好きです。好きなコピーを挙げ出したら限がないので、とりあえずこの辺で止めておきます。

■「ニヤッ」とさせられた、嫌いじゃないコピー。

次に嫌いじゃないコピーですが、まず「大いなる味と香り。」(マールボロ)です。土屋耕一氏が書いたもので、CMのナレーションでは「大いなる世界から広がる味と香り。」だったと思います。これは原文「Come to where the flavor is. Come to Marlboro Country.」の意訳コピーなのですが、原文との付かず離れず感が堪りません。私もマールボロを担当していたので、その苦労がわかります。

「恋人は、しょせん、素人です。」(東京ヘルス)も嫌いじゃないです。まさに真理!でも、このようなクライアントを担当することなんて、滅多にありませんからね。

「南無阿弥陀仏の暇もない。」(ブルース・リー/ドラゴン危機一髪)も嫌いじゃない。私が中学生の時からブルース・リーのファンだったということもありますが、これを書いた杉山明人氏は私の先輩です。

彼はナショナル宣伝研究所から仲畑広告制作所に移り、コピーライターとして一世を風靡。2012年に逝ってしまいましたが、コピーにスピード感があって、非常に彼らしいです。

それと「時価が恐くてすしが食えるか。」(新潟・港すし)。ローカル紙に載った広告コピーなのですが、新潟で一番高い寿司屋がズバッと言い切っているのが素晴らしい!もちろん、この店のネタもシャリも素晴らしいです。

どうして知っているかって?実はこの寿司屋の三代目の店主が、小学校の同級生なんです。昨年、数十年ぶりに再会し、何回か店にも行かせていただきました。まさにこのコピー通りの気持ちじゃないと、お店に入れませんw未だ続くコロナ禍で苦戦しているのではないかと、ちょっと心配しています。

さて、ここまで私の『好きなコピー』と『嫌いじゃないコピー』について、好き勝手に書かせていただきましたが、改めてコピーの奥深さをや楽しさを感じますね。

コピーライターの個性や力量によって、コピーの切り口も表現も千変万化。「いやぁ、コピーって本当にいいもんですね。」これからも現役コピーライターとして、頑張りますので、宜しくお願いします。

以上、クリエイティブ・コネクション ブランド・マーケティングコンサルタントの町田芳之でした。

 

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