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ブランド・マーケティング見聞録

40年以上のキャリアを有する、クリエイティブ・コネクション
代表取締役の町田が、あれやこれやブランド・マーケティングについて語ります。

ブランディングのお話
技術をブランド化しませんか?②
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先回のブログで、『技術ブランディング』は、企業名や製品名ではなく、独自の技術やノウハウをブランド化することで、その技術ブランド名を冠した機能などを、製品やサービスに付加価値として与え、他社と差別化を図ることだとお伝えしました。

今回は『技術ブランディング」を進めていく上で、ポイントとなる事柄について書かせていただきます。

『技術ブランディング』の対象は着眼点や発想の転換でひろがる。

『技術ブランディング』の対象となるのは、独自の『技術、ノウハウ、素材、部品、システム』などです。しかし、企業側の戦略的な着眼点や発想の転換で“技術”の定義はひろがります。

例えば、製品に施したデザインなどの意匠も範疇です。実際にマツダは『魂動デザイン』と称し、自社の車に貫かれたの生命感のあるボディの造形美を訴求することで差別化を図ろうとしています。

先回のブログでも述べたシャープ液晶テレビ『亀山モデル』も着眼点の勝利と言えます。まさに「目の付けどころがシャープでしょ。」です。

また、FUJI FILMは、すでに元々の社名の由来である写真用フィルムから撤退していますが、長年培ってきた“フィルム技術”をベースに新たなビジネスを展開。“FUJI FILM”の社名自体が『技術ブランド』に成長しています。

■『技術ブランディング』は自社製品だけでなく、他社製品にも展開が可能。

『技術ブランディング』の対象となった独自の技術やノウハウを、『技術ブランド』として自社製品だけでなく、他社製品にも提供して展開できます。『インテル』、『GORE-TEX』『プラズマラスター』などが代表例です。

またTOTOの防汚技術『HYDROTECT』は開発された際に、自社の水回り製品だけでなく、公募をして塗料・住宅・自動車関連など40社以上に採用されたと記憶しています。

■企業の規模、またBtoC、BtoBに関係なく有効な手法。

『技術ブランディング』は訴求できる“独自の技術”さえあれば、大手企業だけでなく、中小企業にも、またBtoC企業も、BtoB企業も検討すべき、ブランディング手法です。

少し古い話になりますが、痛くない注射針『ナノパス33』をつくったのは、“中小企業の星”といわれた岡野工業です。

技術力の高い企業として名を馳せましたが、残念ながら、事業承継が上手くいかず廃業してしまったようです。しかし、その技術は今もテルモの注射器に生かされています。

私が担当した例では、産学連携プロジェクトで大阪大学が研究・開発した天然カテキン由来の抗ウィルス成分を『カテプロテクト』とネーミングして技術ブランド化。プレスリリースを出して発表したところ、取材申し込みのほか、企業からの問い合わせが相当数あり、その中の幾つかの企業で成分名『カテプロテクト』共に製品化されています。

私がコンサルティングを辞めた後も『カテプロテクト』は抗ウイルス機能が評価され、OEM供給で、抗ウイルスマスク用スプレー、加湿器用抗ウイルス剤、空間用抗ウイルス除菌・消臭スプレーなど、さまざまな製品に使われています。

■技術ブランディングの進め方

下に『技術ブランディング』進め方の一例を記します。実際には当選のことながら、『技術ブランディング』の対象となる“独自技術”、企業の現状、マーケットの状況などによって進め方は変わります。

対象となる“独自技術”を棚卸・評価する際、客観的な判断も重要になるので、この段階から外部の弁理士を交えた方がスムーズに進められる場合もあります。

■技術ブランディングの主なメリットと注意点

最後に、先回のブログの内容も踏まえ、私たちがこれまで『技術ブランディング』を支援してきた経験から、主なメリットと注意すべきポイントを記しておきます。

<主なメリット>

●B to B企業にとって、『技術ブランディング』で技術の提携先との連携の強化、また新たな技術提携先も探しやすくなり、単なる価格競争からの脱却も図れる。他分野へも訴求しやすくなる。

●B to CおよびB to B toC企業にとって、「製品名(商品名)」だけでは差別化が難しい場合も、『技術ブランディング』を行うことでその技術を採用した製品に、新たな付加価値を与えられ、販売促進が図れる。

●B to S(社会)で認知されることによって、技術だけでなく、企業自体の付加価値、社会におけるアドバンテージ(信頼性)が上がり、ビジネスを展開しやすくなる。

●B to E(企業と従業員の関係)において、『技術ブランディング』が従業員に対する求心力を高めると共に、優秀な人材を引き付け、企業のリクルート対策としても機能する。

<主な注意点>

●良い技術があれば、大丈夫!良い製品をつくっていれば、売れる!良い企業は、そのうち認められる!そんな時代は終わっています。

●技術や製品が、どんなに優れていても相手に伝わらなければ、存在していないのと同じです。

●商標登録までは、スタート地点に立つまでの準備です。本当の勝負は、明確な戦略の元、目標に向かって、アクションプランを実施することから始まります。

●ネット社会となり、マスメディアが万能ではなくなり、企業規模や予算に応じて実施プランは考えられます。一番ダメなのは何もせず立ち止まっていることです。

2回にわたって『技術ブランディング』にの概略について話して参りましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

『技術ブランディング」にご興味のある経営者、またご担当の方がいらっしゃいましたら、質問や疑問などにお答えいたしますので、ご連絡ください。お待ちしております。※リモートミーティングも可能です。

以上、クリエイティブ・コネクション ブランド・マーケティングコンサルタントの町田芳之でした。

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